こんにちは。
ツツイ美容外科、院長の筒井です。
前回に続きまして、
糸を通す方法(当院の挙筋法)
について詳しくお話しいたします。
まず最初は、
まぶたの裏側の結膜(粘膜)に
針を入れて5ミリ程粘膜内を通して
再び針を粘膜から針を出します。
その際、粘膜にある血管を避けて行います。
次に結膜にできた2ヵ所の針の穴から
表の皮膚に糸を出します。
皮膚側には3点穴を開けていますので、
結膜面側から表の皮膚に糸を出す際に
結膜の内側(鼻側)よりの糸は
皮膚の一番内側(鼻側)の穴に通します。
そして結膜の外側の糸は
皮膚の一番外側の穴に通します。
さらに一番内側の皮膚の穴を通した糸は、
再び同じ穴から今度は皮膚の下を這わせるように、
3点の中央の穴に通します。
そして再び中央の穴に糸を入れて
皮下を這わせて一番外側の皮膚の穴に通します。
最後は結膜の外側から
皮膚の一番外側の穴に通した糸と
皮膚の内側から皮下を通して
外側の穴に通した糸を結んで
余分な糸をカットして
結び目を皮下に埋め込んで
終了となります。
この過程で大切なポイントが
いくつかあります。
まず1つ目は、
裏側の結膜から表側の皮膚に
糸を通す際に結膜に開けた穴と
同じ穴から皮膚に通さないと
瞼を挙げる筋肉(上眼瞼挙筋)を
圧迫する力が強くなり 眼瞼下垂を
起こしやすくなるという点です。
開院当初は結膜側に
少し糸を出して行っていましたが、
筋力の弱めの人は下垂を
起こしやすかったように思います。
また、結膜側に糸を出さないと
二重が取れやすくなるのではないか
という思いもありましたが、
むしろ逆でした。
結膜側に糸を残さない方が
かえって二重のラインが
取れにくいことがわかりました。
これは私の推測ですが、
結膜側に糸を出さない場合は、
皮膚から挙筋にストレートに力が伝わり、
両者の関係がより強く
なるのではないかと考えています。
調度生まれながらの二重まぶたの人が
挙筋からの枝が皮膚に届いているのと
同じような関係です。
しかし、結膜側に糸を出した場合は
皮膚から挙筋に伝わる力が
結膜側にも分散されて弱くなる分
二重が取れやすくなるし、
挙筋が圧迫されて下垂も
起こしやすくなるのではないか。
さらに、結膜面上出ている
糸によって粘膜は、でこぼこに
波打ったようになります。
結膜側に一度開いた穴に
再び針を通すのは、
言葉では簡単ですが、
実際に行うのは技術が必要です。
目で穴の位置を確認すると言うよりは、
針先を穴に触れた時の指先の感触で
抵抗のない位置に針を通す
と言った方が適切だと思います。
どうしても穴の位置が
わかりにくい場合は、
麻酔で粘膜をふくらませて探ったり
フック摂子(フックのついたピンセット)
で粘膜を少し引っ張って探ったりして
穴の位置を見つけています。
私がこの過程にここまで
こだわっている理由は
上述の理由以外にもこうすることで
手術後まぶたをひっくり返しても
まぶたの裏側の結膜は、
非常にキレイな状態に仕上がり
眼球を傷つけるリスクも
非常に少なくなるからです。
なので、まぶたにも眼球にも
極力やさしい埋没法だと思っています。
ついついヒートアップしてしまいました。
2つ目のポイントは
また次回にさせていただきます。
2017.03.17
ツツイ美容外科院長がお届けしています。
医療法人
ツツイ美容外科院長筒井 康文
国立佐賀大学(旧佐賀医科大学)医学部卒業。名古屋掖済会病院の救命救急の現場で研修後、大手美容外科にて美容外科治療を修得。昭和63年8月、大阪心斎橋に開業。現在、大阪ミナミにある美容外科では1番の老舗。平成23年5月、大丸心斎橋店そばに移転し現在に至る。多くの患者様の診療を通して、見た目の変化により自信を持って前向きに生きる手助けができていることを実感。患者様の心に寄り添い、医療としての美容外科・美容皮膚科を目指します。
医療法人ツツイ美容外科院長筒井 康文